灼眼のシャナIII-FINAL- 第5話「囚われのフレイムヘイズ」

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第5話　囚われのフレイムヘイズ

――こんな法具一つで何もできなくなるなんて…
悠二に囚われの身となってしまったシャナは力を封じられ、アラストールとも引き離されていて身動きが取れずにいた。
悠二はアラストールを連れてシャナの元へやって来る。
｢アラストールもひどいことされなかった？｣
｢それはないよ。アラストールにはあくまで自発的に付き合ってもらってるんだから。どちらかでも望めばコキュートスは今すぐシャナの胸に戻る。それより何か困ったことない？｣
｢身動きが取れない、この鎖を外して｣
｢それは無理だよ、ここに集まっている徒の中に君への恨みを持ってる者がいないとも限らない。不用意にうろつくのは危険だ｣
｢なら尚更捕えておくような不合理はおかすべきじゃない｣
｢逃がすか殺すかしろと？それをこの余に求めるのか？まったく、君はいつも平然と無茶をする。テラスから屋根に上って警備の徒に連れ戻されたり、飾り物の剣で鎖を斬ろうとして怪我をしたと聞いた時は肝を冷やしたよ｣
シャナに触れようとする悠二だが拒否され、勝手にシャナの全てを理解した気になり拒絶され慌ててしまう。
｢勝手に私のことを分かった風に言わないで!!｣
｢…!?｣

一方、外界宿に向かって以来音信不通となってしまった佐藤を心配する田中が外界宿に連絡しても知らないと一点張りで電話を切られてしまう。
不可解な外界宿の態度にマルコシアスは今まで協力要請を一切無視していたヴィルヘルミナを誘き寄せるための人質にしようとしているのではないかと気づく。

自分達に何も教えない盟主にシュドナイとベルペオルは一抹の不安を感じていた。
｢で、当の盟主様は軍議にも出ず何をしている？｣
｢安心おしよ、ヘカテーなら最終座標調整の真っ最中さ。盟主と御一緒しているわけではない。あの子にとって今の状態は待命が一歩前進したということでしかない。ましてや容れ物などに気を惹かれるはずもないさ｣
待命の第二段階のために教授に確認を取るベルペオルだが、途中で会話をさっさと切る。

課された盟約を果たしたことでヘカテーの傍に戻れるシュドナイはヘカテーから労いの言葉をかけてもらえるのだった。

次回、「掌の中に」



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