薄桜鬼 黎明録 第1話「天武の暁」

薄桜鬼 黎明録の第1話を見ました。



第1話　天武の暁

｢おい野良犬、俺の声が聞こえているなら返事をしろ。話すことはできぬでも頷くくらいはできるだろ？｣
京都へ向かう途中、行き倒れていた井吹龍之介は芹沢鴨に頭を掴まれ、持ち上げられもし生きたいのなら握り飯をとれと差し出される。
必死に手を伸ばす龍之介だったが、芹沢に手を滑らせたとわざと落とされた握り飯に龍之介は縋りつく。
｢見栄や誇りよりも生きることを選ぶか。飢えた野良犬そのものだな。どうせ放っておけば早晩くたばる身だ、行き先もないのだろ？我々に付いて来い、餌くらいは恵んでやるぞ？｣
鳩尾に一撃を受け昏倒してしまった龍之介はそのまま連行されてしまい、目を覚ますと平助が自己紹介してくれるのだった。

ようやく起き上がれるようになった頃、拾われた日の事を思い出した龍之介はいつまでも面倒を見てもらうわけにはいかないと出ていこうとすると、左之介と新八に一宿一飯の恩義があるだろうと説教されてしまう。
山南から芹沢が帰ってくるのは夜だと聞いた龍之介は総司に勧められたこともあり、局長である近藤に挨拶する。
そんな中、酒癖が良くなく酔っぱらった芹沢と土方の言い合いが聞こえ、何かあったのかと心配して外に出てきた面々の中に紛れていた龍之介も夕食に付き合いそのまま一晩泊まっていくことになる。
みんなと同じ部屋で雑魚寝して明け方寒くて目を覚ました龍之介は芹沢の自室を訪れる。
｢ほお、ボロ雑巾のような面が随分マシになったじゃないか｣
｢アンタのせいでもう少し生きなきゃならなくなった。恩を着せられっぱなしってのも癪に障るからな、一応礼を言っとく｣
｢何だ？今のは。ん？犬ですら一度受けた恩は忘れぬものだぞ。貴様、犬以下だな｣
暫くの間、芹沢の小姓扱いで身を寄せることになった龍之介は京へ来れば何かあると考えていたためにこのまま厄介になると決めるのだった。

寝起きを蹴り飛ばされて帰宅するまでに酒を買って置くよう頼まれた龍之介が平助達に酒屋の場所を聞こうと八木邸の前へ向かうと一の姿があった。
｢アンタ、そこで何やってんだ？｣
｢近藤さんか土方さんはおられるか？｣

次回、「導かれし運命」

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