絶園のテンペスト 第二十四幕「それぞれの物語」

絶園のテンペストの第24話を見ました



第二十四幕　それぞれの物語

御柱破壊作戦中、武装していないはずの調査船の人質が持つ銃で吉野が撃たれてしまうが、吉野の腕に当たったようで一安心する。
｢今度下手な真似すりゃ脅しじゃ済まねえぞ｣

全てを託された羽村が御柱に攻撃を加えても力が足りずにすぐに修復されてしまい、はじまりの樹の攻撃を避けるだけで精一杯となってしまう。
｢何かが足りない、決定的な何かが！｣
｢だったら…愛花ちゃんだったら、こんな時何て言うかな？｣
人と人の気持ちが重なる場所に生まれるささやかな光が足りないという愛花の言葉を真広が思い出していると、絶園の樹にも異変が起こり、絶園の樹が絶園の剣となって危機に陥る羽村の前へ現れる。
｢間に合った。何をどうすべきか、分かったよ。偽りの楽園、閉じられた楽園、それを絶つのが即ち絶園！ここまでだ、そしてこれからだ！｣
羽村が絶園の剣を振り下ろすと、はじまりの樹が世界から消えるのだった。

一ヶ月が経ち、世界から魔法がなくなった世界で巧が色々と鎖部一族のことを気にかけ、仕事を与えてくれていた。
もう魔法が使えないからと里を抜けようとする葉風だったが、普通の娘以上に何も出来ないとおばあちゃん達に言われてしまう。

一方、世界を救うために大学受験を受けることにした真広は電車内で参考書を読んでいた。
タブレットで愛花からの動画メッセージを一人で見始めた吉野に気付いた真広は一緒に見ることにする。
『私の死を悲しむ必要はありません。私は絶園の魔法使いです。舞台上の役者はシナリオを無視して勝手に動くわけにはいきません。美しく退場してこそ役目を果たせたといえます。だから2人とも私の死に囚われないで愉快に日々を過ごしてください。絶園の魔法使いとしてとても得られなかった時間を2人のお蔭で得られました。それだけで私はこの後の死を快く迎えらえます。では最後に特典映像として私の全裸をお見せしましょう。…冗談ですよ、冗談。期待しました？では今度こそお元気で』
動画の消えたタブレット画面に吉野と真広のアホ面が映るのだった。

｢愛花、お前にとって人生は誰かに決められたシナリオ通りに演じ、その通り終わらせるもの。だからシェークスピアのセリフをやたら口にしてたんだな。でも愛花、俺はお前が間違っていたと言う。お前はやっちゃいけないことをやったし、やるべきことをやらなかった。誰かのシナリオをなぞることしかできなかったからお前は間違ったんだ。でも、お前は俺の妹だ。お前の期待通り世界を救ってやるよ。お前の彼氏は新しい恋人でもできりゃ完全に他人だが、俺はずっとお前の兄だからな。愛花、俺は誰かの舞台劇をなぞるみたいな結末は着けねえ。ハムレットでもテンペストでもねえ、何十年先になるか分からねえが俺の言葉で俺が決めた結末を着けてやる｣
愛花の墓前を手を合わせた真広は吉野を殴り、2人はそれぞれの道を歩き出す。
真広は黒鉄病の騒動の中で助けてメアドを交換した女の子と会うことにし、吉野は葉風とのことにしっかりと決着を着けることにするのだった。







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