いつか天魔の黒ウサギ 第1話「900秒の放課後＜前編＞」

いつか天魔の黒ウサギの第1話を見ました。



第1話　900秒の放課後＜前編＞

｢そろそろしよう？大丈夫、痛くしないから｣
｢僕の血を、吸うの…？｣
｢吸わないわよ、アンタの血なんて｣
｢じゃあどうするの？｣
｢入れるのよ、毒を｣
｢毒？｣
｢そう、毒。私の毒をあなたにあげる。あなたが決して私から離れられなくなるようにね。大丈夫、痛くしないから｣
そして、鉄大兎は呪いをかけられたのだった。

宮阪高校1年生になった大兎は幼い頃の自分の夢を見ていて、夢の内容を時雨遥に話していた。
｢邪魔だ、雑魚。俺の視界に入るな｣
大兎と遥は成績優秀でスポーツ万能である生徒会長・紅月光が女子に囲まれている姿を見る。
大兎は自分は人生の主役で、頑張れば報われるなんて幻想は信じておらず、毎日はずっと平凡に消費されると思っていた。

放課後、大兎は自販機でジュースを買った安藤美雷が横断歩道を渡ろうとして居眠り運転のトラックに轢かれそうになるところ助けるのだが、自分が轢かれてしまう。
――俺、死ぬのか…？ごめん、遥…

9年前、まだ幼かった大兎は最古の魔女・サイトヒメアと出会い、彼女とある"約束"を交わしていた。
そのために、ヒメアは78840時間という、気の遠くなるほどの長い年月、囚われの身となり続けていたのだ。

｢おーい、生きてる？｣
トラックに轢かれた大兎は首と身体がもげてしまっていたのだが、なぜか体を動かせていた。
身体の怪我は一瞬で治り、首と身体を繋げることができた大兎はその場から逃げるのだった。

大兎が一度死んだことでヒメアは力が少し戻って囚われの身から解放される。
――これで、これでやっと完成する、900秒の魔術が。さぁ思い出して、私の名前を呼んで。そしたらやっと全ての力が戻る。大好きだよ、大兎

夢の中で見ていた少女のことを思い出した大兎はヒメアの名前を口にし、ヒメアを助けるために幼い頃に遊んだ公園へと走る。
そして、公園で大兎はヒメアと再会するのだった。
｢ずっと…9年間もずっと、あと5分あと5分って…。ヒメア、ごめん。俺、約束したのに｣
｢会いたかった、大兎｣
｢ヒメア、待たせてごめん｣
｢うん。来てくれたから許す｣
突然、ヒメアが大兎の目の前で月光に刺されてしまうのだった。

次回、「900秒の放課後＜後編＞」

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