夏目友人帳 参 第2話「浮春の郷」

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第2話　浮春の郷

ニャンコ先生と貴志は田沼の家の寺から念仏が途絶えたという話を聞くのだが、学校で田沼にそのことを聞くことはできなかった。
｢それで何も聞かずに帰ってきたのか？｣
｢どう切り出したらいいのか分からなかったんだよ｣
｢どうしてだ？あやつはお前が見えることを知ってるではないか｣
｢親父さんが病気とかよくない事だったら人前でそんな話しちゃいけない気がして…｣
｢にゃんだそれは？｣
｢その、友達の家族の話とかいうのはどこまで踏み込んでいいものなんだろうな｣
｢そんなこと私は知らーん｣

そんなな中、名前を返してほしいと貴志の前に女妖怪が現れ、名前を返そうとする貴志だが、友人帳に名前が載っていなかった。
幻の郷といわれる“浮春の郷”の住人だったという女妖怪は、郷へ帰るため一緒に旅をしていた兄を探しているのだというが、顔の知らない貴志では呼び出す事が出来ないのだった。

一方、ニャンコ先生は八ツ原でかつて瘴気をばらまき害を与えていた妖怪が復活したという話を聞く。
レイコに負けたために山で眠りについていたというその妖怪は、“浮春の郷”の住人だったという。
そんな時、父親が本山の行事のために一月ほど不在の田沼の家に妖怪が現れ、田沼には夏目の名を呼びながら何かを探し、自らに刃物を突き立てているように見えるのだった。

妖怪の瘴気によって起こった頭痛で早退した田沼を心配する貴志は寺の地図を見つけ、神楽堂を探していると、瘴気を発している妖怪・カナワを見つけ、“浮春の郷”の入り口は郷の者の血に反応するために自らを傷つけていたことが分かる。
貴志は兄を探す女妖怪の話をするが、妹は既に死んでいると言われ、郷を追放になったサグメが郷への入り口を開けさせようとしていたのだろうと考える。
｢それなら、また友人帳を狙ってくる前に名前を返そう。レイコさんに代わって｣
名前を返した貴志だが、サグメが郷への入り口を開くためにカナワに刀で襲いかかってくる。
そして、カナワの血の瘴気によって郷への入り口が開き、自分を恐れなかったレイコにその光景を見せてやりたかったと思いながら郷へと帰っていくのだった。

次回、「偽りの友人」

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